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リップノイズを抑える方法

今回は以前から質問の多かった「リップノイズを少なくする方法」をお伝えします!

 

 

まずそもそもリップノイズとは何かを知らない人は要注意です。

 

 

 

実は歌手の中にもリップノイズが何か知らない人も結構いたりしますが、これを知らない人はやはりいいボーカルとは言えません。

 

 

なぜ歌手なのにリップノイズを知らない人がいるかというと、リップノイズはその場で自分でわかるものではなく、レコーディングして初めてきづく、もっと言えば編集してみて、ミックス中に気付くことが多いノイズだからなのです。

 

 

 

というのもミックス、マスタリングでは最終的に音圧をグッと上げますから、隠れていたノイズが出てくることがよくあるのです。

だからリップノイズに関しては、歌い手よりもエンジニアの方が良く知っていますし、かなり苦労している方が多いんです。

 

 

さてリップノイズとは一体何かというと、唇が開くときに唾液などを絡めて「プチッ」となってしまうノイズのことですね。

 

 

 

ちなみにリップノイズは唾液の分泌量と関係しているため、年齢が若く潤いのある10代などは気をつけなくてもほとんどならないことが多いです。

(ただし後述する食生活や体調管理などによって、若くてもリップノイズが多い方もいます)

 

 

 

 

また逆に20代後半ごろから体の水分量も徐々に減ってきますので、唾液も少なくなってきてリップノイズが増えてくることが多いです。

なので、50代60代などのレコーディングではかなりのリップノイズが乗ってしまうことが多いと言えるでしょう。

 

 

 

 

それでは雑談はこの辺りにして、実際にエンジニアが効果があると思うリップノイズ対策をご紹介いたします。

飲み物は絶対に水

これは常々言われていることですが、飲み物はお茶ではなく「水」が最適です。

 

 

 

お茶に含まれるタンニンなどがリップノイズの原因になる可能性があると言われています。

またコーヒーは最悪で、成分が口にとどまり唾液と絡みつくことで粘着性を持ってリップノイズが増してしまいます。

 

そのほか気をつけなければいけないのが、スポーツドリンクなどの糖分が含まれている飲み物です。

糖分は粘り気があるため、こちらもリップノイズの原因になります。

ポップガードを使用する

まぁこれは歌い手であれば当然使ってるかと思いますが、、、!

 

ポップガードはリップノイズを抑えるだけでなく、マイクとの距離感覚が保てるので、特に初心者の方は使用することをお勧めします。

 

ちなみに余談ですが、ポップガードはどうしても唾液で臭くなりがちなので、私は金属製のものを使ってます。

臭くならなくてお勧めですよ。

リップノイズに強いマイクを選ぶ

宅録でリップノイズが気になる場合に言えることは、マイクが良くない場合です。

 

まずマイクはボーカル用や楽器向きなど様々なタイプがあります。

 

その中でも安いコンデンサーマイクには特に注意が必要です。

 

まずコンデンサーマイクはダイナミックマイクに比べてクリアで繊細に録音することが可能なため、リップノイズまでも繊細に拾ってしまう傾向にあります。

 

そして安いコンデンサーマイクは綺麗な音で録音できるように若干ハイが強く録音される傾向が多いのです。

ハイというのは高い音のことですが、これがリップノイズの「プチッ」を強調してしまう原因にもなってしまうのです。

 

私の感覚でいうと、やはり2〜3万円のコンデンサーマイクだと上記のようなものが多いように感じます。

ただし2〜3万のマイクがダメなわけではありません、逆に楽器などでは綺麗に録音できる場合もありますし、ボーカルによっても相性がありますので、一概に悪いわけではなく、あくまで私の主観的にはそのような傾向が多いように感じます。

リップノイズに強いオススメマイク

さて、ではリップノイズに強いマイクをご紹介いたします!

私が使ってきた中で、これは素晴らしいと思ったのはこちらの「NEUMANN TLM102」です。

もちろんこれより上の価格帯であればもっといいものもありますが、5万円前後の価格帯ではかなりオススメできます。

小型なのですが、しっかり太い音が録音できて、なおかつリップノイズにも強いマイクです。

このマイクの特徴は、ポップスクリーンが内蔵されているため、ポップガードなしでもかなりリップノイズや吹かれに強いことです。

リップノイズにお困りの方は是非検討してみてはいかがでしょうか?

ボイトレを受ける

意外に思われるかもしれませんが、リップノイズはボイトレで軽減できます。

というのもリップノイズのもう一つの原因に、唇や口の中の筋肉の動きが悪いことが挙げられます。

なので、ボイトレを受けることで口の中が動きやすくなっていくので、歌唱力の上昇とともにリップノイズも軽減されていくのです。

特にボイトレでよくやる「リップロール」や「タングトリル」を続けることで口が開くようになってきてリップノイズにも効果があると言われています。

食生活に気をつける

やはり最後はここにたどり着くわけですが、リップノイズが多い人は体質もありますが、食生活が乱れている人が多いです。

やはり体に潤いがなくなってくると唾液も減ってきてしまいますから、野菜や果物、お水など健康的な食生活で体を整えていくことが重要です。また悪い油や脂肪分を多く含む食事も口腔環境の悪化につながります。

たまに「フライドチキンを食べると声がよく出る」なんて言われたりしますが、声が出る出ないは定かではありませんが、リップノイズの観点から言うとやはりベタベタしたものはよくないのです。

 

やはり歌い手は体が商売道具ですから、まずは食生活から変えていきましょう。


レコーディングスタジオで録音する

もしいろいろ試してみても、どうしてもリップノイズが気になる場合は、一度レコーディングスタジオで録音してみましょう。

 

やはりリップノイズを抑える一番簡単な方法は「レコーディングスタジオで録音する」ことだと思います。

なぜなら、レコーディングスタジオではプロのエンジニアがディレクションして、リップノイズが入っている場合はその部分を録り直ししていきますので、単純にリップノイズが入ることが少ないですし、何より「リップノイズにその場で気付く」ことができるからです。

 

最初に言ったように、リップノイズは宅録で自分で録音していると気付きにくいのです。

 

またレコーディングスタジオでは、やはり個人では手が出せないような高価なマイクやマイクプリがありますので、マイクの性能によってもリップノイズがかなり抑えられるのではないかと思います。(声の表情などもかなり変わると思いますので、宅録のマイクと比較する意味でも一度レコーディングスタジオで録音するのはいい経験になるのではないかと思います)

 

それでは歌い手の皆様、リップノイズに気を付けて、これからも活動頑張ってくださいね〜!!