今まで時系列に沿って店長の過去の話を書いてきましたが、
少しだけ前後してしまいます。
あれは上京する前、18〜19歳の頃の話です。
前のブログで書いたように、僕は当時上京資金を貯めるため、
なぜか鳶職をしていました、、、
でもそんな中で自分の心をちゃんと音楽に繋ぎ止めておくために、
路上ライブを始めたのです。
しかも電子ピアノで!
はい、僕はギターはあまり得意ではなかったので、鍵盤です。
めちゃめちゃ大変なんですよね、鍵盤持ち歩くのって!
なんせ鍵盤の足とか、あと椅子も必要ですからね!
あと路上ライブでは名前とか書いたりする小さい黒板とかも持ってました。
それを全部担いで電車で1時間かけて遠い場所で路上ライブしていましたね。
なんせ地元だと知り合いに会いそうだし、
あとやっぱり都会で人が多いところが良かったので、
大阪の天王寺駅前という路上ライブの名所でやってました。
今はわかりませんが、当時は本当に路上ライブが多くて、50メートルおきに路上ライブやってるような感じでしたね。
いろんなお客さんがいて、
少し儲かる日もあれば、全然稼げない日もありました。
そんな中で印象に残ってるお客さんは3人いましたね。
1人目は会社の飲み会終わりに見にきてくれた団体客。
酔っ払いのサラリーマンたちでめんどくさそうな人たちでした
しかしその中に1人だけ若くて綺麗な女性がいたのです。
なんでもその女性は今度結婚するらしく、会社も辞めるそうで、
今日はその彼女の送別会だったんだとか。
そこで僕は女性に受けて愛の歌を歌いました。
するとどうでしょう、女性は涙を流したのです。
僕は初めて歌で人の涙を誘うことができて本当に嬉しく思いました。
もちろんお酒が入っていたことと、彼女自身のストーリーがあったからですが、
こんな偶然にも素敵なことが起きるのが路上ライブの魅力でもあるのです。
次に2人目は、
若い女性二人組でした。
僕の目の前に座って二人でじっくり曲を聴いてくれました。
話しかけるとなんと二人は僕とタメでした。
それで意気投合して、3人で飲みに行くことに。
知らない街で知らない女性2人と僕一人でお酒を飲む。
なんか結構すごい状況だなぁ〜と思っていたんですが、
そのあと結構飲んで終電がなくなってしまい、
「じゃあみんなでラブホ行こうか」という流れに、、、
これ嘘のような本当の話なんです。
自分の人生の中でも女性2人とラブホに入ったのはこの時が最初で最期でした。
こんなアバンチュールがあるのも路上ライブの魅力なのかもしれません。
そして3人目は
誰も聴いてくれない夜に、やけになってもう歌うのは辞めて、
持ってきてた小さい黒板に「ピアノ占い」と適当に書いて座っていた時です。笑
なんと女性が一人僕の前に来て「占って欲しいです」と
これはまずいと思いましたね。だって占いなんてできないですもん。
でも「嘘でした」なんてダサいこと言えませんでしたから、
全力で嘘っぱちのピアノ占いをしてあげました。
するとどうでしょう。
「あなたの運勢は」と言ってピアノの鍵盤を適当に押した瞬間
「ピーーーーーーー」という訳のわからない音がなったんです。
そうです電子ピアノの電池が切れかかって、変な音がなったのでした。
しかしそれを聴いた女性は
「ハープシーコード!!ハープシーコードだわ!!!」とか訳のわからないことを叫んで
そして「ありがとうございました」と言って3千円置いて行ってしまったのでした。
こんな訳のわからないことがあるのが路上ライブなのです。。